2019年08月01日号
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フォトグラム

Photogram

カメラを使用せずに、印画紙上に直接物を置いたりして感光させ、イメージを生成する技法。1920年代、ラースロー・モホイ=ナジやマン・レイによって取り組まれはじめた。カメラを使用せず、透明、半透明、不透明、あるいはさまざまな形態をもった物体を、光源と印画紙のあいだに介在させるため、技法は写真のものながら、さまざまなイメージを自由に制作することが可能である。一方、イメージの元となる固定したネガフィルムを持たないため、当然ながらフォトグラムによって制作される写真は、すべてモノタイプ(一点物)のものになる。なお、フォトグラムという用語の命名者はモホイ=ナジであり、同時期に同技法を別個に行なっていたマン・レイは、その技法について自らの名前から「レイヨグラフ」と名付けた。歴史を遡れば、同技法はモホイ=ナジとマン・レイのみを創始者と呼べるわけではなく、例えば1910年代にはクリスチャン・シャド(シャドグラフ)が、さらに1830年代にはヘンリー・フォックス・タルボットが、カメラを使用しない同様の技法を用いていた。ゆえに、フォトグラムという用語は、構成主義やダダとの関連で同技法が使用される際に使用されるものであると捉えるべきである。

著者: 土屋誠一

参考文献

  • 「モホリ=ナジとドイツ新興写真」展カタログ, 東京都写真美術館, 1990
  • 「マン・レイ」展カタログ, 日本経済新聞社, 2010

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