2019年12月01日号
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フルクサス

Fluxus

1960年代前半にリトアニア系アメリカ人の美術家ジョージ・マチューナスが主導し、世界的な展開をみせた芸術運動、またグループを指す。日本では靉嘔、一柳慧、オノ・ヨーコ、小杉武久、塩見允枝子、刀根靖尚らが参加。63年のマチューナスによるマニフェストでは、ヨーロッパを中心とした伝統的な芸術に対抗する前衛的性質を掲げながらも、フルクサスの語源がラテン語で「流れる、なびく、変化する、下剤をかける」など多様な意味をもつように、流動、変化という点において厳密な定義が避けられた。
マチューナスが61年にニューヨークのマディソン・アヴェニューにオープンしたA/Gギャラリーでのイヴェントや、62-63年に西ドイツのヴィースバーデン市立美術館で企画された「フルクサス国際現代音楽祭」(その後、ヨーロッパ各地に巡回)が、フルクサスの初期の活動とされている。63年以降は、ニューヨークでのマチューナスによる名簿の作成といったグループの組織化、また新聞の発行やマルティプルの「フルックス・キット」の制作など、共同体としてのフルクサスを目指すプロデューサーとしての「具体主義」、「機能主義」的な活動が顕著となり、その活動は78年の死去まで継続された。フルクサスには、50年代のニュー・スクールでのJ・ケージの音楽や理論の影響が見られる。また美術家、音楽家、作家、舞踏家によるインターメディアという特徴を持ち、ケージやA・カプローらによって展開された非再現的で一回性の強い「ハプニング」とは異なる、スコアに基づいた日常的行為が「イヴェント」として実践された。

著者: 森啓輔

参考文献

  • 『フルクサスとは何か? 日常とアートを結びつけた人々』, 塩見允枝子, フィルムアート社, 2005

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