2019年06月15日号
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プリント・リヴァイヴァル/プリント・ルネサンス

Print Revival/Print Renaissance

1960年代前後にアメリカで起こった版画復興の動向。40年から50年代にかけて現代版画の先駆的役割を果たしたアトリエ17の閉鎖後、アメリカ各地に相次いで版画工房が登場した。ユニヴァーサル・リミテッド・アート・エディションズ(ULAE、ニューヨーク、1957年設立)、タマリンド・リトグラフィー工房(ロサンゼルス、1960年設立)、クラウン・ポイント・プレス(サンフランシスコ、1962年設立)、ジェミナイG.E.L.(ロサンゼルス、1965年設立)、ランドフォール・プレス(シカゴ、1970年設立)などである。銅版画、石版画などそれぞれの工房が技法の専門性を高め、結果として多様な実験が可能となった。そもそもアメリカでは、版画は印刷手段としての認識が強く絵画よりも低く見られていたが、ULAEと組んだ若きJ・ジョーンズやR・ラウシェンバーグらが先駆的な版画作品を発表することで活性化に寄与した。一方で、60年代にポップ・アーティストたちがシルクスクリーンやオフセットなど商業印刷用の版画手法に着目したこともこの動向に深く関わっている。写真製版によって既存イメージを取り込むことができ、伝統的な版画技法に比べてより大きな画面を得ることのできる商業用版画はポップ・アートにふさわしい技法であった。拠点としての工房の発達、技法開発に応えるアーティストの登場、そして美術が扱うメディアの領域拡大といった複数の方向から版画復興の機運が高まったのである。

著者: 成相肇

参考文献

  • 「現代アメリカ版画の40年:巨匠たちと版画工房ULAE」展カタログ, , , セゾン美術館, 1998

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