2019年08月01日号
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プロレタリア美術

Proletarian Art

1920-30年代に日本を席巻した社会主義・共産主義運動のなかから生まれた、労働をテーマにした左翼的な美術運動。1924年10月に「未来派美術協会」や「マヴォ」らのメンバーによって「三科」がつくられた。翌25年そのメンバーは、すでにあった「日本プロレタリア文芸連盟」に美術部(R.A.)として参加し、28年から32年まで「プロレタリア美術」展を開いた。中心となって活躍した美術家の岡本唐貴は「プロレタリア美術とは、第一、プロレタリアートの手をもつて造られた美術である。第二、そしてプロレタリアートに依つて見られる美術である」と、著書『プロレタリア美術とは何か』(1930)で述べている。岡本らは28年に上野の東京府美術館で「第1回プロレタリア美術大展覧会」を開いた。こうしたプロレタリア美術として発表された作品は、労働者のデモやストライキ、働く場であった工場などを表現した油絵や彫刻、そしてポスターであり、プロパガンダの要素を強く含んでいた。東京以外での地方都市でも巡回展が開かれ、また、ロシア(ソヴィエト連邦)で展覧会を開催したり、作家や作品の往来といった交流も図っていた。しかし、日本共産党の検挙や治安維持法の改正、警察による弾圧などを背景に、34年にプロレタリア美術運動は終息した。

著者: 藤田千彩

参考文献

  • 『日本プロレタリア美術史』, 岡本唐貴、松山文雄編著, 造形社, 1967
  • 『プロレタリア美術とは何か』, 岡本唐貴, アトリヱ社, 1930
  • 『日本プロレタリア美術家同盟 1920年代の日本の絵画史』, オリンピアーダ・ガリョールキナ, 造形社, 1969

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