2019年11月15日号
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ベイ・エリア・フィギュラティヴ・アート

Bay Area Figurative Art

1950年代に、アメリカ西海岸、サンフランシスコ・ベイ・エリアを拠点に活発化した絵画の動向。57年の展覧会でキュレーターのP・ミルズがこの動向を初めて紹介した。アメリカ東部のニューヨークを中心に、西海岸でも盛んだった抽象表現主義的傾向に対し、人物や風景、静物など、明確な主題が認められるためにこのように呼ばれる。初期には、49年にD・パークが形象性を意識した絵画制作を開始し、その流れにR・ディーベンコーン、E・ビショッフらが合流した。さらにその他の画家も同様に形象性が認められる絵画の制作を開始したために、ひとつの動向として注目され始めた。だが、この名称自体、アメリカ絵画における東/西の対立を、「形象性の有無」というやや素朴なナラティヴに回収してしまう危険性を持っていることに注意する必要がある。ベイ・エリア・フィギュラティヴ・アートでは、抽象表現主義特有の情念性や無意識下の操作は慎重に取り除かれ、ヌードや静物など、より伝統的な主題が、表現主義的な筆触や西海岸特有の明るい光源を主とした色彩で描かれる。そのため、地方特有のリージョナリズムによる復古的態度と進取性との混合が焦点となったと言えるだろう。この動向に関しては、89-90年にサンフランシスコ現代美術館で大規模な展覧会が開催され、その全貌が明らかにされた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Bay Area Figurative Art, 1950-1965, Caroline A. Jones, San Francisco Museum of Modern Art, 1990

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