2019年06月15日号
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ボディ・アート

Body Art

作家の身体を芸術作品の媒体として活用した美術のこと。1960年代の末から70年代にかけて多く試みられた。一回的な行為であるがゆえに写真や映像などのメディアに記録されることが多いことから、コンセプチュアル・アートおよびパフォーマンス・アートとの同時代的な並行性を持つ。イヴ・クラインやヨーゼフ・ボイスなどの、自らの身体を用いたパフォーマンスやマルセル・デュシャンの作品はその先駆であるが、同動向を代表するマリーナ・アブラモヴィッチやクリス・バーデンらの過激な作品に見られるように、その最盛期には、肉体的・精神的な苦痛や危険を伴うものが顕著に見られた。それらは主体的なコントロールの外側に置かれた身体を生々しく提示するということにおいて、文字通り「素材」となり、作品の制作過程を受苦的に受け止める作家の姿を前景化するものである。またほとんどの場合、演劇のように事前に準備された物語的なプロットは存在せず、むしろ作家の肉体と精神の両面におけるプライヴェートかつ実際的な事実を投げかけている。身体が備える直接性をもって、アイデンティティ、ジェンダー、セクシュアリティ、生と死などの諸問題に関わろうとする作家も見られた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Body art, , Nicholas Thomas, Thames and Hudson, 2014

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