2019年06月15日号
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ポストモダニズム(デザイン)

Postmodernism

歴史的な様式への決別、手仕事や美術工芸からの脱却、装飾を廃すること、産業(工業化社会)との接点を見出し、それに相応しい思潮とスタイルを新たに確立すること――これらはすべて、モダニズム(モダン・デザイン)の基盤を成す考え方である。そして、このような磐石のモダン・デザインに対する異議申し立ては、1960年代末まで、ほとんど表沙汰になって来なかった。「その後(ポストモダン)」に関する論議は、チャールズ・ジェンクスの著作『ポスト・モダニズムの建築言語』(1977)において初めてフレーズとして定義され、理論付けが試みられる。デザインの現場では、異議申し立ての頃から、本書が登場するまでのあいだ、(モダン・)デザインの原理に則る「構想・設計」「実現・生産」「受容・消費」の三原則を完全に否定する、ストイックでコンセプチュアルな「アンチ・デザイン」が席巻した。続いて、ジェンクスに刺激されたクリエイターとコマーシャリズムが結びつき、70年代末から80年代にかけて、モダニズムという概念や枠組みの解体よりは、その揶揄・パロディ表現が顕著な(いわゆる)「ポストモダン・デザイン」が花開く。ゆえに後者の動向からは、むしろ過剰で豊穣なモノが多々生み出された。あえて決別したはずのスタイルを引用し、その滑稽な折衷もよしとする。一品制作的な凝った手仕事と素材へのこだわりと、チープ・シックなハンディクラフト感がともに復活し、装飾が再び賞賛された。

著者: 橋本優子

参考文献

  • 『ポスト・モダニズムの建築言語』, チャールズ・ジェンクス(竹山実訳), ユー・アンド・ユー, 1978

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