2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

Artwords(アートワード)

twitterでつぶやく

ポストYBAs

Post-YBAs

YBAs(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)と呼ばれる世代の後に出現したイギリスのアーティストの総称。YBAsとは、ダミアン・ハースト、ダグラス・ゴードン、クリス・オフィリなど、1990年代にイギリスで頭角を現わしたアーティストを指す。2000年代に広く用いられはじめた「ポストYBAs」という名称は、90年代に台頭したYBAsの「次の世代」を指すものであり、そこに統一的な傾向や様式は存在しない。絵画、彫刻、インスタレーションをはじめとする多様な表現媒体を用いていたYBAsと同様に、ポストYBAsには映像や音響などのさまざまなメディアを用いる作家が含まれる。過去にはマイク・ネルソン、キャリー・ヤング、ティム・ノーブル&スー・ウェブスター、デイヴィッド・ソープ、オリヴァー・ペイン&ニック・レルフ、エヴァ・ロスチャイルド、ゲイリー・ウェッブらが「ポストYBAs」の作家としてメディア上で紹介されている。また、ジェレミー・デラーやサイモン・スターリングのように、ターナー賞の受賞をきっかけに「ポストYBAs」の代表的な作家と目されるようになったアーティストもいる。つまるところ、「YBAs」や「ポストYBAs」といった呼称は、それぞれ90年代、00年代に頭角を現わしたイギリスの若手作家を総称的に名指すための言葉であり、それらを貫く顕著な特徴や様式はおおむね不在であると考えたほうがよいだろう。近現代の美術史において頻出する「post-」という接頭辞はしばしば既存の理念や様式からの切断を含意しているが、メディアやマーケットの側から要請された呼称である「ポストYBAs」にそうした側面は希薄であり、むしろそれは純粋に時系列的な「YBAsの後」の世代を意味するにとどまっている。

著者: 星野太

年代

ジャンル

関連ワード

関連人物

▲ページの先頭へ

アートワード検索

アートワードを検索

文字の大きさ