2019年09月15日号
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マティス回顧展

“Henri Matisse: Retrospective Exhibition”

ニューヨーク近代美術館(MoMA)において、1931年に開催されたフォーヴィスムの画家として知られるアンリ・マティスの大規模な回顧展。マティスがアメリカではじめて大々的に紹介された展覧会で、MoMAの初代館長アルフレッド・バーJrによって企画された。バーは、マティスの芸術は時代を下るに従って進歩するという前提のもと、彼の画業を時系列に追い、その時々の作品様式と変化を同時代の他の芸術運動やアーティストとの関連より比較、分析した。さらにこの展覧会のカタログは、掲載作品すべての収蔵先や文献など詳細な情報を網羅し、マティスの美術史上の位置づけを明確化するとともに、バーによるマティス論文が掲載され、学問的に重要なものとなった。このカタログは、現在においてもなおマティス研究の重要な基礎的文献とされ、また、現在に継承されるカタログの形式を確立したという意味において、記念碑的なものとなっている。さらに、この展覧会でバーは、いわゆるキャプションのような作品情報を記載したラベルを作品の側に貼りつけ、鑑賞者の作品理解の手助けとしたが、こうした展示が行われたのも本展が最初であった。このマティス回顧展は、マティスの画業を早い段階で紹介した美術史上重要な展覧会であると同時に、現在に繋がる展覧会の形態を築いたという意味においても重要なものとなっている。

著者: 小野寛子

参考文献

  • Henri-Matisse: Retrospective Exhibition , Alfred H. Barr Jr. ed., Museum of Modern Art, 1931

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