2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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マニフェスタ

Manifesta

ヨーロッパの都市で2年に1度開催される国際展であり、「ヨーロッパ現代美術ビエンナーレ(European Biennial of Contemporary Art)」とも呼ばれる。通常のビエンナーレやトリエンナーレとは異なり、回ごとに開催地が変わるのがマニフェスタの最大の特徴である。毎回、比較的小規模な地域を会場とするマニフェスタは、展示のみならず雑誌の刊行、教育プログラムの実施などさまざまな側面において実験的な方法を模索しつづけている。開催地となる都市は公募によって広く募られ、アムステルダムを拠点とするIFM(マニフェスタ国際基金)が、各都市の社会的、政治的、地理的な条件などを勘案のうえ最終的に決定する。1996年のロッテルダム(オランダ)での開催以来、ルクセンブルク(ルクセンブルク)、リュブリャナ(スロベニア)、フランクフルト(ドイツ)、サン・セバスティアン(スペイン)、ニコシア(キプロス、開催中止)、トレンティーノ=アルト・アディジェ(イタリア)、ムルシア(スペイン)、ヘンク(ベルギー、2012年予定)の各地域・都市で開催されている。マニフェスタは、若いアーティストに対する門戸の解放や国際的な連携などによって高い評価を得てきたが、その一方で開催地域との軋轢をしばしば引き起こしてきたことも事実である。サン・セバスティアンで開催されたマニフェスタ5におけるバスク地方の作家の出品拒否や、ニコシアでのマニフェスタ6が、IFMと地元団体であるNFA(Nicosia for Art)との意見の不一致のために予定の3カ月前に中止になったことなどがその顕著な例である。しかしマニフェスタはその後も当初の理念を覆すことなく、ムルシアで開催されたマニフェスタ8では「北アフリカとの対話」と題したテーマを掲げるなど、ヨーロッパにおける文化的・政治的問題に深く切り込む方向性を堅持しつづけている。

著者: 星野太

参考文献

  • The Manifesta Decade: Debates on Contemporary Art Exhibitions and Biennials in Post-Wall Europe, Barbara Vanderlinden and Elena Filipovic eds., MIT Press, 2005

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