2019年08月01日号
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メソッド演技

Method Acting

アメリカの演出家・演技指導者のリー・ストラスバーグが役者の訓練のために考案した演技法。1947年にグループ・シアターのメンバーたちが創設したアクターズ・スタジオで使用された。ロシアの演出家コンスタンチン・スタニスラフスキーによって提唱されたスタニスラフスキー・システムの原則と方式に基づいており、パントマイム風の誇張的な身振りの模倣から自由になって、リアリスティックな「真実」の表現を舞台上で行なうことが目指された。その目標に向けて役者が行なうべきは、自分が実生活で感じている「五感の記憶」や実生活で過去に感じた「感情の記憶」を役柄に適用し、舞台の上で正しく働かせることであった。そのために役者は、素の表情を人に見せてはならず、「第四の壁」を想像によってこしらえることで自身の役柄が目下行なっていることへ意識を集中させるよう、訓練が行なわれた。また、ストラスバークは、もし役者がこの状況で自分の演ずる人物だったらどうふるまうかというスタニスラフスキーの訓練法だけでなく、それを演ずるために役者自身が何をなすべきかをメタ的に問うスタニスラフスキーの弟子エヴゲーニ・ワフタンゴフの方法論も取り入れた。アクターズ・スタジオで訓練を受けた俳優はしばしばメソッド派と呼ばれ、マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、マリリン・モンロー、ジェーン・フォンダ、ダスティン・ホフマンなど、20世紀のアメリカを代表する俳優たちが学んだことで知られている。

著者: 木村覚

参考文献

  • 『メソードへの道』, リー・ストラスバーグ(米村晢訳), 劇書房, 1989(原書1987)
  • 『リー・ストラスバーグとアクターズ・スタジオの俳優たち その実践の記録』, ロバート・H・ヘスマン(高山図南雄、さきえつや訳), 劇書房, 2002(原書1965)
  • 『メソード演技』, エドワード・D・イースティ(米村晢訳), 劇書房, 1978(原書1966)

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