2019年08月01日号
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メニル・コレクション

Menil Collection

1987年6月に開館したテキサス州のヒューストン郊外にある美術館。名を冠するジョン・デ・メニル、ドミニク・デ・メニル夫妻は油田探査のシュルンベルジェ社を経営する一家で、戦後、フランスからヒューストンへと移住した。ジョンの死後、夫人がメニル財団を創設、夫妻が収集した現代美術を中心とするコレクションと他のコレクターからの寄贈作品を合わせた、古代彫刻、アフリカ芸術、マヤ文明やオセアニア美術、そして現代美術の15,000点にもおよぶ収蔵作品を誇る。特にシュルレアリスムやアヴァンギャルド美術のコレクションは秀逸で、この美術館のメイン展示室にあたる部屋を与えられている。美術館本館の設計はレンゾ・ピアノによるもので、光のシェルターとも呼ばれるプラットホーム・ルーフが採用され、天井からやわらかい自然光が降り注ぎ天候によって変化する展示室が特徴的である。また外壁のタイルはグレー、波形の屋根は白と塗り分けられており、手入れの行き届いた芝生にシンプルで広々とした低層の建築物がうまく調和している。
メニル夫妻の発注により建てられ、NPOによって運営されているロスコ・チャペルが美術館に隣接している。これは特定の宗教のためではない、すべての人のための礼拝堂で、壁にはマーク・ロスコによるタブローが架けられており、静謐な雰囲気のもと来館者の瞑想の場となっている。そのほか、95年開館のピアノ設計によるサイ・トゥオンブリー・ギャラリー、96年完成のダン・フレヴィンのインスタレーションのためにつくられたリッチモンド・ホール、97年に開館した13世紀のキプロス島で描かれた二つのフレスコ画を展示したビザンチン・フレスコ・チャペル美術館などの別館が敷地内に点在している。

著者: 栗栖智美

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