2019年10月01日号
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モダン・ダンス

Modern Dance

アメリカとドイツで20世紀前半に発展した、バレエの技法とは異なる新しい芸術的形式に基づいたダンスの呼称。トゥシューズを脱いだ状態でクラシック音楽を伴奏に踊る(イサドラ・ダンカン)、あるいは音楽伴奏なしで踊る(マリー・ヴィグマン)、アフリカやアジアの文化に由来するエキゾチックなテイストのダンスをバレエの技法から自由な状態で踊る(ルース・セント・デニス)といった点が、バレエとは一線を画するモダン・ダンスの顕著な特徴といえる。また、バレエとは異なる特徴として、登場人物のキャラクターを表象することよりも、身体的な運動感覚(キネステジア)に訴えることを振付家・ダンサーが目指した点も挙げられる。一部交流があったとはいえ、当時流行していたレヴューなどで踊られた商業的なダンスと異なり、同時代の他の諸芸術動向と連動する芸術的なダンスを追求しようとした。アメリカでは、セント・デニスとテッド・ショーンの創設した学校「デニショーン」が、デルサルト・メソッドをレッスンに取り入れるなどして、多くのモダン・ダンスの振付家を養成した。なかでもデニショーン出身のマーサ・グレアムが案出したコントラクション・アンド・リリースや、ドリス・ハンフリーが案出したフォール・アンド・リカヴァリーなどによって、モダン・ダンスは方法的な洗練を見た。グラハムの舞踊団に在籍していたマース・カニングハムは、退団後、既存のモダン・ダンスとは方法的に異質なダンスを生み出し、後のポスト・モダンダンスの流れをつくった。ドイツではモダン・ダンスは表現舞踊と呼ばれた。ルドルフ・ラバンがスイスのモンテ・ベリタに設立した学校では、身体運動をめぐる実験から多くのアイディアが生み出され、マリー・ヴィグマンらを輩出した。

著者: 木村覚

参考文献

  • International Encyclopedia of Dance, Selma Jeanne Cohen, George Dorris, Nancy Goldner, Beate Gordon, Nancy Reynolds, Oxford University Press, 2004

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