2019年05月15日号
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モニュメント

Monument

「記念碑、記念物」と訳される。語源はラテン語の「記念物(monumentum)」で、「気付かせる/想起させる」という意味の単語からの派生語である。特定の人物や歴史的、宗教的、政治的事件、思想などを記念して、人々の記憶に留めるべく制作された作品のこと。また、制作された作品ではなく、そのもの自体が残っていることで過去の出来事を示唆する遺物などもその類であるが、美術におけるモニュメントとは主に前者を指す。モニュメントには、巨大な絵画や壁画なども含まれるが、その多くは、建造物や彫刻という形で表わされる。それは、モニュメントの多くが広く大衆の目にさらされる場に設置されるため、戸外でも耐えうる形態でなければならないためである。
モニュメントの目的および形態は既述の通りだが、いずれにおいても、永遠性、不変性、荘厳さなどのモニュメンタリティ(記念碑性)が備わっていなければ、モニュメントとして成立しない。その作例はありとあらゆる時代、地域に多数存在し、枚挙に暇がないが、現代美術においてはウラジーミル・タトリンによって構想された「第三インターナショナル記念塔」がそのひとつとして挙げられる。これはモスクワの中心部に建設されるものとしてタトリンが制作依頼を受け、アール・デコ建築を代表するエンパイア・ステイト・ビルの2倍の高さを誇る大規模な構想で、彼は1919-20年にその模型を完成させた。しかし実現しなかったため、ソヴィエト国民の記念碑となることは叶わず、ソヴィエト構成主義の象徴としてその模型のみが残されている。

著者: 小野寛子

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