2019年08月01日号
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ユニタリー・フォーム

Unitary Forms

ミニマリズムの代表的作家であるロバート・モリスが1966年の『アートフォーラム』誌で発表した「彫刻についてのノート」の第一部で提唱した言葉。「統一的形態」と訳すことができるが、見る位置によって鑑賞経験が変幻する従来の彫刻にたいして、ピラミッドなどの多角形や立法体のような形態は「全体としての感覚」ないし「三次元的なゲシュタルト」を引き起こすとされている。モリスにとっては、彫刻におけるこの「ゲシュタルト」の確保こそが、その全体的な統一感に寄与するものだった。加えて、前年に発表された《三つのL字型柱》が、ゲシュタルト心理学的な知見を応用し、異なる向きに置かれた同一形態の彫刻が異なる心理的効果をもたらすものであったため、モリスがここで使用する「ゲシュタルト」の語も同様にゲシュタルト心理学を背景に置いたものであったと考えることができる。またこの論旨は、C・グリーンバーグやM・フリードのモダニズム批評の還元主義的傾向を自身の彫刻論に敷衍したものでもあった。だが、そのわずか2年後に「アンチ・フォーム」へとモリスが「転向」することを考えれば、モダニズム批評に対する彼独自の自覚的なパフォーマンスをそこに読み取ることもできよう。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Continuous project altered daily: the writings of Robert Morris, , Robert Morris, MIT Press, 1993

参考作品

  • 《三つのL字型柱》, R・モリス, 1965

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