2019年06月15日号
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リミックス

Remix

ある作品を再編集すること、あるいは再編集された作品のこと。音楽用語としての「リミックス」は、DJが複数のレコードを用いて楽曲の任意のフレーズを繰り返し再生したことに起源を持つ。しかしその後、既存の楽曲のフレーズを再編集したレコードが数多くリリースされはじめたことによって、次第にスタジオで制作・再編集されたトラックを指すことが一般的となった。ゆえに「リミックス」という概念は本来ディスコやハウス・ミュージックに端を発するものだが、やがて音楽に限らず、制作過程に「再編集」や「再構成」を含む作品に対しても広く用いられることになる。なかでも美術評論家の椹木野衣が、1980年代に台頭したシミュレーショニズムの制作原理を「サンプリング」「カットアップ」「リミックス」という音楽用語によって特徴づけたことは特に有名である。それ以外にも、作品の帰属先としての作者の所在を曖昧にするリレーショナル・アートの実践を形容して、ニコラ・ブリオーが「リミックス」という言葉を頻繁に用いている。また、そもそも近年ではこの言葉自体が一般化したということもあり、「様式」や「歴史」といったさまざまな要素の編集や再構成というニュアンスで用いられることも珍しくない。2000年代半ばにデュッセルドルフ、ロンドン、パリ、東京を巡回した「アフリカ・リミックス」という展覧会タイトルは、この顕著な用例とみなすことができる。

著者: 星野太

参考文献

  • 『増補 シミュレーショニズム』, 椹木野衣, ちくま学芸文庫, 2001
  • Postproduction, Nicolas Bourriaud, Lucas & Steinberg, 2002
  • 「アフリカ・リミックス 多様化するアフリカの現代美術」展カタログ, 森美術館, 2006

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