2019年06月15日号
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リミテッド・アニメーション

Limited Animation

1950年代より盛んになった、美的もしくは経済的理由で描画枚数や描画箇所を節約するアニメーション。美的もしくは経済的理由で描画枚数や描画箇所を節約するアニメーション。30年代から40年代にディズニー・スタジオの自然主義的スタイル(フルアニメーション)が流行したことを背景に、UPA(ユナイテッド・プロダクションズ・オブ・アメリカ)が考案した。自然主義的に全身を滑らかに動かすフルアニメーションに対し、目だけ口だけや、複数の登場人物のなかの一人だけなど動く部分を制限することでデザイン性や平面性を強調する効果がある。50年の『ジェラルド・マクボイン・ボイン』の大々的な成功から、アメリカ国内のみならず世界的にその影響は波及し、さまざまなかたちに姿を変えて今日まで続いている。ディズニーのスタイルあっての用語であるがゆえに、言葉自体にカウンターとしての性質が強く、また、50年代後半以降のTV用のアニメーション(劇場用作品以上に大量生産される)が本来は美的な態度として選ばれていたリミテッド・アニメーションを省力化という経済的な理由で用いるようになったことも加わり、結果的に、フルアニメーションが本来あるべき姿であり、リミテッド・アニメーションは邪道であるという本質主義的な言説も招き入れることになる。日本のTV作品は、リミテッドであるという制約を活用し、止め絵を効果的に用いるなど、独自のアニメーション表現を生み出すに至る。自然主義的ドローイングからの離脱とデザイン性の追求は、イラストレーターや漫画家、絵本とのコラボレーションも促進することになる(ジェームズ・サーバーとコラボレーションを行なったUPAなど)。

著者: 土居伸彰

参考文献

  • 『日本映画は生きている 第6巻 アニメは越境する』, 「フル・リミテッドアニメーション」, トマス・ラマール, 岩波書店, 2010

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