2019年09月15日号
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レントゲン藝術研究所

Roentgen Kunst Institut

レントゲン藝術研究所は90年代のアートシーンを象徴するスペースであり、当時都内最大級・計190坪の広さを持ち、さまざまな若手作家とキュレーターのデビュー展が行なわれた。91年6月に、池内務により古美術商「池内美術」の現代美術部門としてオープンした。当時の日本はバブルがはじけ、また、現代美術を専門にする美術館もまだなく、海外とのコネクションをもつコマーシャル・ギャラリーもほとんどなく、現代美術の作家たちは発表・活動の場を失っていた。こうした状況のなかで、レントゲン藝術研究所は池内(1964年生まれ)と同世代の作家やその活動を支持し続けた。代表的な企画展として、美術評論家の椹木野衣による「アノーマリー」展、村上隆による「WILD WILD」展、会田誠のデビューでもある「fo(u)rtunes」展(いずれも1992)などが挙げられる。このスペースで発表したアーティストはほかにもヤノベケンジ、小沢剛、八谷和彦、小谷元彦、中原浩大、飴屋法水など現在も活躍している作家が多い。およそ5年のあいだに展覧会が約40回開かれたほか、つねに斬新な企画が話題となり、DJを呼んでのイヴェントや「ワンナイト・エキシビション」と名付けられた一夜だけの新人作家の個展が不定期に開かれ、朝までパーティーが続くようなエネルギッシュな活動が行われた。芸大生を中心とした若手作家がデビューを狙うような登竜門的スペースとなったが、95年、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件などにより、アートの方向性も変わっていくなかで活動を停止した。閉鎖後は「レントゲンクンストラウム」「レントゲンヴェルケ」「ラディウム」と名前を変え、現在も活動を行なっている。

著者: 中山亜美

参考文献

  • 『美術手帖』2005年7月号, 「『レントゲン藝術研究所』という時代」, 椹木野衣, 美術出版社,

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