2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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ロイヤル・カレッジ・オブ・アート

Royal College of Art(RCA)

ロンドンにある世界有数の造形芸術のカレッジ(修士号以上に特化した大学院大学)。前身は、1837年にサマセット・ハウスに創設された「官立デザイン学校」。英国において国家が最初に関与したのは、他の西欧諸国のような美術アカデミーではなく、デザイン学校であった。設立当初にはデザインの教授法が定まらなかったが、50-60年代になると、政府の文官ヘンリー・コールらによって首尾一貫した教育システムが築かれ、サウス・ケンジントン博物館(現在のV&A美術館)と一体となり発展した。世紀末近くにはデザインから美術教育に比重が移るも、96年に、ヴィクトリア女王から「ロイヤル・カレッジ・オブ・アート」への改称を認可された後、ウォルター・クレイン(アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会会長)が校長に就任すると実践的な改革が行なわれた。このときからおよそ1930年代まで、アーツ・アンド・クラフツ運動の影響がみられる。01年には「建築・絵画・彫刻・デザイン」の4学科へと改組が行なわれた。20世紀初期に入ると、RCAは新しい彫刻の運動(ヘンリー・ムーア等)の本拠地、50-60年代にはポップ・アート(デイヴィッド・ホックニー等)の中心地となった。戦後は、デザイン学部内の専門化が進展し、60年代には「インダストリアル・デザイン」科が開設。70年代にかけては、商業美術の進展に伴いコミュニケーション部門が設置され、80-90年かけてはプロダクト・デザインの発展が目立っている。同校の歴史は「デザイン」から出発し、「美術」への傾斜を幾度か経て、絶えず自らのアイデンティティを問い直しつづけ、一時は「ロイヤル・カレッジ・オブ・デザイン」への校名変更が提案されてもいる。現在の学長は、テレンス・コンランの後を継いだジェームズ・ダイソンである。

著者: 竹内有子

参考文献

  • Art and Design : 100 years of the Royal College of Art, Christopher Frayling, Richard Dennis Pubns, 1999

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