2019年06月15日号
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ワールド・トレード・センター/WTC

WTC(World Trade Center)

略称はWTC。日本では「世界貿易センター」とも呼ばれる。日系アメリカ人建築家ミノル・ヤマサキ(1912-86)による設計で、1976年竣工。ニューヨーク市マンハッタン区の南端に位置していた。2001年、9.11アメリカ同時多発テロの標的となり崩壊。411メートル、110階のツイン・タワーとプラザを囲む3つの低層棟から構成されており、竣工当時は世界一の高さを誇っていた。構造は、コアと外周部の柱のみで支持するチューブ構造と呼ばれる方式を採用しており、フロア内には一本の柱もない大空間が実現する。また、44階と78階に乗換階「スカイ・ロビー」を設け、スカイ・ロビーへ直行する高速エレベーターから各階行きに乗り換えさせる方式としたことにより、エレベーターの効率的な運行と、オフィス面積の確保を同時に成功させた。このように、その無機的なファサードにも象徴されるように、機能主義を掲げる近代建築の主要な目標がすべて実現されたものの、その圧倒的な高さによる威圧感や非人間的スケール等の問題点も同時に露呈させていたと言える。2011年現在、同敷地では、マスタープランをダニエル・リベスキンド(1946-)、各棟の設計をSOM(Skidmore, Owings & Merrill)、ノーマン・フォスター(1935-)、リチャード・ロジャース(1933-)、槇文彦(1928-)、KPF(Kohn Pedersen Fox Associates)がそれぞれ担当する再建計画が実施されており、完成は2010年代になると見込まれている。

著者: 渡邉宏樹

参考文献

  • 『ミノル・ヤマサキ(現代建築家シリーズ第2期)』, 美術出版会, 1968
  • 『新建築臨時増刊 建築20世紀part2』, 新建築社, 1991
  • 『9・11の標的をつくった男 天才と差別 建築家ミノル・ヤマサキの生涯』, 飯塚真紀子, 講談社, 2010

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