2019年06月15日号
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ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館

Victoria and Albert Museum

ロンドンにある世界最大規模の装飾芸術・デザインと美術の包括的なコレクションをもつミュージアム。1852年、ヘンリー・コールらによって「製品博物館」としてマールバラ・ハウスに開設される。51年のロンドン万国博覧会に展示された同時代の精選品をデザインの見本として収蔵し、製造に役立てるため素材別のコレクションをもつに至った。57年には、現在の地であるサウス・ケンジントンに移り、施設の改築と拡大が図られ、「サウス・ケンジントン博物館」と呼ばれるようになる。同館は元来、学校付設のミュージアムで、英国製品の質向上のみならず官立デザイン学校での教育と大衆の趣味向上が目的とされていた。学校の講義室は、中庭を囲む建物の西側の最上階にあったほか、当時においては世界で初めて館内に食堂がつくられてもいる。西欧ではこれに倣った工芸博物館がパリ、ウィーンやハンブルグなどに次々に開館した。99年には、ヴィクトリア女王が「ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館」への改称を指示、1909年に現在見られるファサードが完成した。20世紀初頭にはデザイン分野の収集方針が保守的になり、活動の停滞した状況が続いたが、戦後には設立当初における同時代のデザインの収集・展示という目的が復活した。運営においては、80年代後半以降、商業面に携わる株式会社V&Aエンタープライズが設立されたほか、近年、英国政府の方針と肩を並べて、クリエイティヴ産業の振興にも力を注ぐなど、さまざまな改革を行なっている。

著者: 竹内有子

参考文献

  • 『世界の博物館7 ビクトリア王室博物館』 , 前田正明編, 講談社, 1979
  • 『ヴィクトリア&アルバート』 (スカラ みすず美術館シリーズ) , エリザベス・エスティーヴ=コール他著(田辺徹訳), みすず書房, 1992
  • Vision and Accident: The Story of the V & A, Anthony Burton, V & A Publications, 1999
  • A Grand Design: Art of the Victoria and Albert Museum, Malcolm Baker (ed.), V & A Publications, 1999

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