2019年10月15日号
次回11月1日更新予定

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ヴィデオ・インスタレーション

Video Installation

ヴィデオを部分的に、あるいは全面的に用いたインスタレーションのこと。こうした動向が顕著になったのは1990年代以降のことであり、シングル・チャンネルでテープを映す形式に替わり、モニターや壁面にマルチ・チャンネルの映像を流す、規模の大きなインスタレーションが登場し始めた。また、安価で持ち運び可能なデータ・プロジェクターが開発されたことによって、旧来のモニターや照明を落とした空間を準備する必要がなくなったこともその動因となった。モニターやスクリーンに限らず、人形などのオブジェの表面に映像が投影されるT・アウスラーやP・リストらの作品も登場した。近年はDVDやデジタル・データによる映像投影を用いた作品もヴィデオ・インスタレーションと呼ばれることがあるが、高画質なDVDや液晶モニターの開発・普及と相まって、絵画のような美学的性質を追求したものや、物語性の強い作品の傾向が高まっている。したがって近年のヴィデオ・インスタレーションは、ヴィデオという媒体の技術的条件に対する関心から、知覚的・現象学的な探究が行なわれたV・アコンチやB・ナウマンらの初期のヴィデオ・アートとはその性格を異にするといえよう。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 「ヴィデオを待ちながら─映像、60年代から今日へ」展カタログ所収, 「ヴィデオ・プロジェクション──スクリーンの間の空間」, リズ・コッツ(木下哲夫訳), 東京国立近代美術館, 2009

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