2019年06月15日号
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世界デザイン会議

World Design Conference

1960年、日本初の国際デザイン会議として「今世紀の全体像 デザイナーは未来社会に何を寄与しうるか」をテーマに東京で開催された。世界24カ国から227名のデザイナー、建築家が参加した。戦後、デザイン界における日本人の活躍を背景として、56年のアスペン会議(アメリカ、コロラド州アスペンで行なわれたデザイナーの集会)において、日本での国際会議の開催が決議された。その結果として、第1回世界デザイン会議が、60年5月11日から16日まで、東京の大手町産経会館で開催された。坂倉準三を代表に、丹下健三、柳宗理ら当時の建築・デザイン界の主要人物が実行委員を務めた。グラフィック、インダストリアルなど幅広い立場のデザイナーや建築家が集結し、海外からはヘルベルト・バイヤー、ブルーノ・ムナーリ、ルイス・カーンらが来日した。この会議を契機に川添登、菊竹清訓、黒川紀章らによってメタボリズム・グループが結成されたことも有名である。海外の参加者に対する言語的サポートが不十分であったことや、問題を深く掘り下げられなかったことなどから、成功を収めた会議とは必ずしも言えないとも指摘される。それでも、日本のデザイナーや建築家が集団として西欧諸国に自らの存在をアピールし、交流を深めた意義は大きく、「もはや戦後ではない」ことをデザインの面で宣言する結節点となった。

著者: 打集宣善(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『日本の近代デザイン運動史 1940年代-1980年代』, 財団法人工芸財団, ペリカン社, 1990
  • 『メタボリズムとメタボリストたち』, 大高正人, 美術出版社, 2005
  • 「デザイン学研究(82)日本デザイン学会小史(23)世界デザイン会議開催と例会」, 田中正明, 日本デザイン学会, 1990
  • 「デザイン学研究56(4)国際化のなかの日本IDと世界デザイン会議:1960年代のJIDA機関誌にみられるJIDAの国際化への対応(1)」, 岩田彩子、宮崎清, 日本デザイン学会, 2009
  • 「建築雑誌75(890) 世界デザイン会議討議内容(国際会議特集)」, 河合正一, 日本建築学会, 1960

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