2019年09月01日号
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創宇社建築会

Sousha Kenchiku-kai

1923年に、山口文象を中心に逓信省営繕課で製図工として働いていた下級技師らが結成した建築運動グループである。「創宇社」という名前は、「新しき建築を創造し、宇宙を満たす」という言葉から来ており、20年結成の分離派建築会から強い影響を受けて展覧会や講演会などの活動を展開した。初期においては、表現主義の影響が見受けられる山口の「丘上の記念塔」(1924、模型のみ)など、芸術至上主義的な作品が目立つが、29年頃を境に労働者のための施設や共同住宅など社会的なテーマを取り上げるようになる。その後、より広範な活動を展開すべく山口らが中心となって30年に新興建築家連盟を結成したものの、新聞によって共産主義のレッテルを貼られ、半年で活動が頓挫してしまう。同年にリーダーの山口が渡欧し、創宇社建築会の活動は実質的に停止した。こうした戦前における創宇社建築会の活動は、戦後に共同作業による建築設計活動を展開した「新日本建築家集団(NAU)」(1947年結成)や、地域に根ざした建築・まちづくりを標榜し現在も活動を続ける「新建築家技術者集団」(1970年結成)などにも連なるものである。また、山口自身も戦後に「RIA建築綜合研究所」を組織し、先駆的な建築、都市計画を数多く手掛けた。

著者: 岡村健太郎

参考文献

  • 『日本建築家山脈』, 村松貞次郎, 鹿島出版会, 1965
  • 『建築20世紀PART1』, 「創宇社建築会」, 布野修司, 新建築社, 1991
  • 『日本の近代建築』, 藤森照信, 岩波新書, 1993
  • 『新編 山口文象・人と作品』, 伊達美徳, アール・アイ・エー, 2003

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