2020年10月15日号
次回11月2日更新予定

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国立映画アーカイブ

National Film Archive of Japan

国立映画アーカイブは、独立行政法人国立美術館の一館であり、映画フィルムの保存・研究と企画上映を行なう公的機関である。所蔵する映画フィルムは2018年3月時点で約80,000本。複数の上映ホールや図書室等からなる京橋の本館と、映画フィルムや資料を保存管理する保存棟からなる相模原分館がある。
国立近代美術館(現東京国立近代美術館)の設置にともなって開設された映画部門が、その前身である。国立近代美術館は東京・京橋にあった旧日活本社ビルを引き継いで1952年に開設されたが、当初はその試写室にて上映活動が行なわれていた。その後「日仏交換映画祭」のために、映画関係者によって「フィルム・ライブラリー助成協議会」が60年に発足される。62年に開催された「日仏交換映画祭」は、フランスのシネマテーク・フランセーズから貸与されたフランス映画173本の回顧上映と、シネマテーク・フランセーズに貸与した約100本の日本映画の回顧上映を相互に行なう文化交流事業であり、これらの映画フィルムがコレクションの中心に据えられることになる。69年になり、東京国立近代美術館にフィルムセンターを新たに設置することが決定され、美術館が移転するのに併せて、京橋の旧本館では改修工事が進められる。そして、70年に東京国立近代美術館フィルムセンターとして再開館する。84年には、本館5階にあったフィルム保存庫の可燃性フィルムの自然発火により火災が発生し、多くの映画フィルムが焼失するという事件が起きる。86年には相模原分館が開館し、以後は分館がフィルムの保存管理を担ってゆくことになる。そして2018年になり、東京国立近代美術館から独立して、6番目の独立行政法人国立美術館 国立映画アーカイブとして新たに開館した。
国立映画アーカイブは商業的な映画だけでなく、独立プロダクションや個人作家によって製作された映画(戦前のアマチュア映画や、戦後の個人映画・実験映画を含む)の収集や寄贈受け入れも行なっており、企業によって保護されない非商業的な映画こそが散逸の危険に晒されているという現状において、その方針は評価されるべきものであろう。また、近年では発掘された古い映画フィルムの修復や、デジタル復元にも積極的に取り組んでおり、その成果は「発掘された映画たち」と題された特集上映によって、定期的にお披露目されている。

著者: 阪本裕文

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