2019年06月15日号
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山形国際ドキュメンタリー映画祭

YAMAGATA International Documentary Film Festival

山形市で開催されているドキュメンタリー映画祭。映画祭は隔年で開催され、奇数年の10月に約1週間開催されている。山形市が市制施行100周年記念事業として国際映画祭を模索するなか、田中哲、小川紳介らが「ドキュメンタリー映画祭」を提案し、1989年から開催されている。多い年には期間中に200本以上の作品が上映され、宗教、人種、政治などを取り上げた社会派作品からヴィデオ・カメラを片手に撮影した日記映画や、自己のアイデンティティを探るような私的な作品など幅広い作品が上映される。初回からアジアの作品を積極的に上映しており、ドキュメンタリー映画祭としてはアジア最大規模とも言われる。映画祭は当初から「ネットワーク」と呼ばれる市民ボランティアが運営に関わっており、映画祭期間中に 日刊の広報紙「デイリーニュース」の制作などを行なっている。この「ネットワーク」は2007年より映画祭の運営を行なっている「特定非営利活動法人山形国際ドキュメンタリー映画祭」の母体でもある。上映部門のうちインターナショナル・コンペティション、アジア千波万波の二部門は、公募された作品が上映され審査が行なわれる。インターナショナル・コンペティション部門の大賞には、ドキュメンタリーの父ロバート&フランシス・フラハティの名が冠されており、後年にはアジア・プログラム(後のアジア千波万波)に小川伸介の名が冠された小川伸介賞が新設された。また映画祭期間中には「香味庵クラブ」と呼ばれる交流施設が設置され、監督やスタッフ、市民たちが気軽に交流を愉しんでいる姿を目にすることができる。映画祭期間外には東京都内で鑑賞会を開催するほか「山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー」併設の試写室で定例の上映会を開催するなど、広く市民がドキュメンタリー映画に接する機会を設けている。

著者: 曽我部哲也

参考文献

  • 『山形の村に赤い鳥が飛んできた 小川紳介プロダクションとの25年』, 木村迪夫, 七つ森書館, 2010
  • 『ドキュメンタリー映画は語る 作家インタビューの軌跡』, 山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局編, 未来社, 2006
  • 『ドキュメンタリーの修辞学』, 佐藤真, みすず書房, 2006

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