2019年09月15日号
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工業化住宅/商品化住宅

Industrialized House / Prefabricated Speculative House

工業化住宅とは、工業化された技術を用いてつくられる住宅のこと。工業とは、原材料を加工して製品をつくること一般を指す語であるが、この場合の「工業化」とは、「工場生産化された」との意味合いが強く、したがって「工業化住宅」とは、主として工場で生産される部品を組み立ててつくる住宅のことを指す。一方、商品化住宅とは、全体がひとつの商品としてパッケージ化された住宅のことを指す。したがって、必ずしも工場生産された住宅のみを意味せず、伝統的な構法でつくられた住宅も、商品化住宅に含まれる場合がある。
工業化住宅は、地域にかかわらず、安定した技術で住宅を建設することや、建設プロセスの一部を工場に移管することによって、現場での作業時間を短くすることなど、いくつかの目的を掲げ、20世紀初頭には先駆的な取り組みが登場している。そして工業化住宅では、部品の工場での大量生産により、住宅の低価格化を実現することも、その当初より目標とされていた。しかし、日本においては、工業化住宅が価格面での優位性を獲得することはついになかった。また工業化住宅は、一般的な構法でつくられた住宅よりも平面計画などの融通性に劣るが、1970年代後半になると、この融通性のなさを逆手に取り、練り上げられた平面計画と、そこで実現可能なライフスタイルをパッケージし、商品化することによって、市場での魅力を高める戦略を採る。これ以降、「工業化住宅」と「商品化住宅」というコンセプトは、切り離しがたいものとして日本に定着していくこととなった。

著者: 門脇耕三

参考文献

  • 『工業化住宅・考  これからのプレハブ住宅』, システムズ・ハウジング研究会編、松村秀一監修, 学芸出版社, 1987
  • 『「住宅」という考え方 20世紀的住宅の系譜』, 松村秀一, 東京大学出版会, 1999

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