2019年12月01日号
次回12月16日更新予定

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建築写真

Architecture Photography

建築物を撮影した写真。主に被写体である建築物の意匠的意図を鑑賞者に伝えることを目的としている。一般的には、画像修正技術を利用せず、人間が見たとおりのあるがままの被写体を写すストレート・フォトグラフィという手法が取られるが、デザインの忠実な伝達を目的としない場合は、特殊な補正技術を利用することもある。その代表的なものとして、「あおり」の調整による垂直方向のパースペクティヴの修正や、どうしても写り込んでしまう電柱や電線の消去、どのような光環境でも本来の建築物の色味を表現するためにフィルターを使用する等の技術がある。このように、日照条件や周りの風景等の環境的制限のなかで、建築家の意図を最も効果的に伝えるという点を考えれば、建築写真家は建築家の意図を最もよく理解している人物のひとりと言え、両者には絶大な信頼関係が築かれる。一方では、建築写真が定期的に刊行される建築雑誌に掲載されることで、同時代建築の消費を加速化させたり、建築界という共同体の形成に寄与しているという面もあり、その恣意性や硬直化した表現は批判の対象となることもある。

著者: 渡邉宏樹

参考文献

  • 『10+1』No.23, 特集=建築写真, INAX出版, 2001
  • 『眼の隠喩 視線の現象学』, 多木浩二, ちくま学芸文庫, 2008
  • 『ARCHITECTURE AND PHOTOGRAPHY 建築と写真の現在』, TNプローブ, 2007

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