2019年10月15日号
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形而工房

Keiji-kobo

1928年、東京高等工芸学校の教員をしていた建築家の蔵田周忠を中心に、同学校の卒業生らによって結成された機能主義的、合理主義的なデザイン研究・制作団体。規格化による大量生産の基盤作りなどの先駆的活動で名高い。
同学校を卒業間近にした松本正雄を中心にして、デザイン活動を実践する同人組織が同期生のあいだで構想され、28年3月、同学校講師の蔵田を会長とし、松本、豊口克平、鈴木太郎、森谷猪三男ら卒業生を中心に六科工房という仮称で創立された。同年10月、形而上学と形而下の仕事を結びつけるという意図で形而工房と正式命名。当時日本デザイン界が関心を寄せていたドイツ工作連盟やバウハウスの思想を強く受けており、合理主義的、機能主義的デザインの実践を目指した。住宅、室内デザイン、照明器具、室内備品などを手がけており、中でも椅子やテーブルなどの家具がその中心的制作物であった。当時の家具職人たちが一般的に尺貫法を使用していた中、世界共通の基準に従いメートル法を採用。また当時、日本の家屋や家具では一般的でなかったブナ、楢などの入手しやすく、安価な材料を規格化して使用し、低コストで量産可能な設計を目指した。椅子の制作時に畳での使用を考慮して畳ずりを採用するなど、単なる模倣にとどまらず日本の現状にマッチしたモダンデザインの実践を試みた。このように形而工房は、数々の先駆的な実践を試み、日本の近代デザインの発展に大きく貢献した。

著者: 植野靖隆(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 「結成80周年モダンデザインの先駆 型而工房」展カタログ, 松戸市文化振興財団, 2008
  • 『型而工房から 豊口克平とデザインの半世紀』, 豊口克平, 美術出版社, 1987

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