2019年12月01日号
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心霊写真

Psychic Photography

死者の霊や超自然現象が写り込んだとされる写真。19世紀後半、イギリスにおける心霊主義の台頭とともに霊の存在を裏付ける物的証拠として注目を集めた。1861年に最初の心霊写真を撮影したウィリアム・マムラーは、人々の求めに応じてボストンで職業的心霊写真家として開業、その後ニューヨークにスタジオをかまえる。多くの顧客たちはマムラーに依頼した自分たちの肖像写真の傍らに亡くなった近親者の姿を確認し、大きな評判となった。心霊写真には多重露光やトリックなどを駆使して制作されたものが多く、詐欺行為のかどで訴えられるケースも少なくなかったが、なかには哀悼のイメージとして制作されたものもあった。80年代にゼラチン乾板法が普及し始め、カメラの性能が向上するにつれて表現のバラエティも広がっていく。心霊写真の例としては霊が写り込んだもの以外に、死者からの通信文、エクトプラズム、浮揚現象、降霊会の写真などがある。こうした心霊写真の実践は20世紀初頭まで続き、その後も時おりブームを巻き起こした。

著者: 小原真史

参考文献

  • 『心霊写真は語る』, 一柳廣孝編著, 青弓社, 2004
  • 『心霊写真』, ジョン・ハーヴェイ(松田和也訳), 青土社, 2009
  • 『心霊写真』, 小池壮彦, 宝島社, 2000
  • The Strange Case of William Mumler, Spirit Photographer, Louis Kaplan, Univ Of Minnesota Press, 2008

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