2019年06月15日号
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日本美術ブーム

Japanese Art Boom

1990年代後半から広い意味での日本美術が大衆的な人気を集めるようになった現象。伊藤若冲の爆発的な人気を筆頭に、曾我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳といった、いわゆる「奇想の画家」、長谷川等伯、河鍋狂斎といった江戸の絵師たち、そして阿修羅像をはじめとする仏像への熱狂など、その現象は多岐に渡り、現在もなお衰えていない。日本美術ブームの始まりを象徴する展覧会は、「没後200年 若冲」展(京都国立博物館、2000)である。辻惟雄による『奇想の系譜』(1970)によってすでに知られていたにせよ、この大規模な展覧会は若冲の人気を爆発的に高めた。若冲の図柄をモチーフにしてデザイン化された商品が開発され、ミュージシャンのヴィデオクリップにも引用されるなど、その人気は美術以外の分野にも飛び火した。その後も、たとえば「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」展(東京国立博物館、2006)で32万人、「国宝阿修羅」展(東京国立博物館、2009)で94万人の観客を動員するなど、日本美術ブームの勢いはうなぎのぼりである。こうした現象を言説の面でフォローしたのが、赤瀬川原平である。かつて前衛美術の先端を切り開いてきた赤瀬川にとって、日本美術は自分の後ろにあると思って走っていたら「いつのまにか自分より前に現われていた」という。

著者: 福住廉

参考文献

  • 『日本美術応援団』, 赤瀬川原平、山下裕二, ちくま文庫, 2004
  • 『ひらがな日本美術史』, 橋本治, 新潮社, 1995
  • 『奇想の系譜』, 辻惟雄, ちくま学芸文庫, 2004
  • 「没後200年若冲」展図録, 京都国立博物館, 2000
  • 『伊藤若冲大全』, 狩野博幸監修, 小学館, 2002

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