2019年12月01日号
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構造計算書偽造問題

Structural Calculation Forgery Problem

2005年に姉歯元一級建築士による構造計算書の偽造が発覚したことに端を発する一連の事件を指す(耐震強度偽装問題、構造計算書偽装問題、姉歯事件とも呼ばれる)。姉歯元一級建築士は1996年頃から国土交通省大臣認定構造計算ソフトを改竄するかたちでマンション等の構造計算書を偽造しており、その結果、耐震基準に満たないマンションやホテルが数多く建てられた。そのなかには、すでに入居済みのマンションも数多く含まれていたことなどから、マスコミでも大きく取り上げられ社会問題となった。当初は建築主や建設会社、コンサルティング会社などを含めた組織ぐるみの犯罪とも目されたが、その後の裁判において偽装そのものは姉歯元一級建築士単独による犯行であったとされている。一方で、2006年には札幌市において別の建築士による構造計算書の偽造が発覚するなど、業界の構造的な問題が指摘されている。こうした問題を受け、2007年には建築基準法、2008年には建築士法が改正され、構造計算適合性判定や建築確認の厳格化、構造一級建築士の導入が定められたほか、改竄防止機能付きの新たな構造計算プログラムが導入されるなど、さまざまな対応策がとられた。その結果、実務者の手続きの煩雑化や、審査機関による審査期間の長期化、またそれに伴う着工戸数の大幅な減少など、業界全体に大きな影響を与えた。

著者: 岡村健太郎

参考文献

  • 『建築雑誌』2007年6月号, 「建築設計事務所による構造計算書の偽装とその対応について」, 国土交通省, 日本建築学会

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