2019年06月15日号
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横浜写真

Yokohama Shashin

幕末から明治にかけて日本最大の開港地となった横浜を中心に発達した商業写真。日本を訪れた外国人旅客向けの土産物として人気を博し、外貨獲得にも貢献した。日本の風景や風俗が焼き付けられた鶏卵紙の写真は、日本画の顔料で色鮮やかに彩色され、豪華な蒔絵のアルバムなどに収められた。したがって横浜写真とは西洋の最新技術である写真と日本の伝統的な技術とが結びついた工芸品だとも言える。1864年に横浜に写真館を開業したイタリア系イギリス人のフェリーチェ・ベアトが解説文付き写真アルバムを販売し、これが横浜写真の起源になったと言われている。ベアトの弟子となった日下部金兵衛のように、開港地を訪れた外国人写真師から写真の技術やモデルの演出法を学んだ日本人写真師たちは、エキゾチックな日本のイメージを拡大再生産することで、当時の写真の購買層であった外国人旅客たちの受容に応え、商業的にも成功した。明治20年代にコロタイプという写真製版技術が普及すると、「横浜写真」はより安価な絵はがきや写真集に道をゆずることになる。

著者: 小原真史

参考文献

  • 『明治時代カラー写真の巨人 日下部金兵衛』, 中村啓信, 国書刊行会, 2005
  • 『F.ベアト写真集』, 横浜開港資料館編, 横浜開港資料普及協会, 1987
  • 『幕末明治 横浜写真館物語』, 斎藤多喜夫, 吉川弘文館, 2004

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