2019年10月15日号
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環境芸術

Environment Art

展示空間や環境の総体を作品として志向する芸術のこと。古くはE・リシツキーの《プロウン・ルーム》やK・シュヴィッタースの《メルツバウ》などが相当するが、「環境」という語が使用されたもっとも早い事例のひとつとして、1949年にL・フォンタナがミラノで開催した展覧会「空間的環境」が挙げられる。しかしこの言葉が明確に意識されるようになったのは、「ハプニング」が登場した50年代後半から60年代にかけてのことである。その創始者であるA・カプローは、著書『アッサンブラージュ、エンバイロメンツ、ハプニングス』(1966)において、環境的な作品とは、「室内空間のすべて、あるいは屋外の空間を使用して鑑賞者を包み込み、音や光や色彩などのあらゆる要素を素材とする芸術の一傾向である」と位置づけている。カプローの著書と同年の66年11月には、東野芳明企画の「空間から環境へ 絵画+彫刻+写真+デザイン+建築+音楽の総合」展が銀座松屋で開催され、この展覧会から「エンバイラメントの会」が結成されるとともに、デザイン、建築、美術を横断してこの概念が議論されるようになった。同様の傾向を持つランド・アートやインスタレーションとの明確な差異はないが、芸術作品の大型化、観衆の能動的な参加、素材の多様化、社会・制度批評などの観点を組み込んできた現代美術の展開との関わりは深い。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Essays on the Blurring of Art and Life, , Allan Kaprow, University of California Press, 2003
  • Assemblage,Environments & Happenings, , Allan Kaprow, H. N. Abrams, 1966
  • Displaying the Marvelous Marcel Duchamp,Salvador Dali,and Surrealist Exhibition Installations, , Lewis Kachur, MIT Press, 2001

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