2019年06月15日号
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白茅会

Hakuboukai

「白茅会」は建築家と民俗学者の共同による民家研究会。草葺き屋根に使われる茅が風化すると白くなることに由来して、この名が付けられた。メンバーは佐藤功一の呼びかけにより集まった今和次郎、大熊喜邦、木子幸三郎、田村鎮の建築家5名と、柳田國男をはじめとする、石黒忠篤、内田魯庵、細川護立の民俗学者4名の計9名。民家研究の草分け的存在で、メンバーでもあった今和次郎のその後の研究に大きな影響を与えたとされる。1917年の発足以降、メンバーは埼玉、神奈川や東京の多摩地区の農山村を歩き回り、民家の保存に努めた。調査の具体的な内容として、民俗学者は村の歴史や民話の採集、土俗信仰といった民族学的な調査を行ない、建築家は家のスケッチや間取りの採集を行なっていた。しかし、会の発足後、間もなく佐藤が病床に臥し、会は自然解散へと向かうこととなる。今はその後も精力的に民家研究を続け、会の結成の翌年、『民家図集 埼玉県の部』を刊行するに至る。その内容に民俗学関係の成果は反映されず、彼自身が描いたスケッチや図面が大半を占めた。「白茅会」はその活動をわずか1年あまりで終え、唯一の成果物である『民家図集』も不十分なもので、大きな反響を呼ぶことはなかった。しかし、民家に心を奪われた今はその後、活動範囲を全国に広げ、民家研究に没頭。その成果が歴史的名著となった『日本の民家』(1922)にほかならない。

著者: 喜多亮介(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『今和次郎集 第3巻 民家採集』, 今和次郎, ドメス出版, 1971
  • 『今和次郎集 第2巻 民家論』, 今和次郎, ドメス出版, 1971
  • 『日本の民家』, 今和次郎, 岩波文庫, 1989

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