2019年06月01日号
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第三世代の美術館

Third Generation Museum

1970年代以降、多くの美術館建築を手がけてきた、建築家の磯崎新が提唱した方法論。磯崎は、美術館には歴史的・制度的に明確に異なる段階が存在しており、それを三つの世代に分類できると指摘する。《ルーブル美術館》(1793)に代表されるような、一部の王侯貴族のコレクションを一般公開する目的で開かれた美術館を第一世代と位置づける。その特徴として、コレクションが展示の中心で、宮殿など歴史のある建築を美術館として使用する場合が多いことが挙げられる。《ニューヨーク近代美術館(MoMA)》(1939)を先駆けとする、どのような作品へも対応することができる白い壁と可動壁を備えた展示空間を持つ美術館を第二世代と呼ぶ。第一世代とは異なり、コレクションするだけではなく、企画展を展示の中心とし、いわゆるホワイト・キューブと呼ばれる展示空間を備えている。そして第三世代の美術館とは、磯崎自身が設計した《奈義町現代美術館》(1994)において実現した、その場でしか成立しない体験を提供する、サイト・スペシフィックな美術館を指す。半永久的に展示される芸術作品と建築空間が一体となることで、場所の固有性を高めることを目的とし、これまでの収集・展示することを主な目的とする美術館との差別化を図った。

著者: 喜多亮介(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『造物主義論 デミウルゴモルフィスム』, 磯崎新, 鹿島出版会, 1996
  • 『美術館はどこへ?』, 暮沢剛巳, 廣済堂出版, 2002

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