2019年12月01日号
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考現学

Modernology

1927年、今和次郎により提唱された学問。今は自身と同志による現代風俗あるいは現代世相研究に対する態度と方法、そしてその仕事全体を、「考古学」に倣って「考現学」と称した。彼らは、古代の遺跡、遺物の研究は「考古学」として科学的方法が確立しているにもかかわらず、現代のものを対象にした研究は、ほとんど科学的にされていないと考え、その方法の確立を試みた。その研究対象は広範囲に渡るが、大きく四つ(人の行動に関するもの、居住関係のもの、衣服関係のもの、その他)に分類されている。それら対象物の観察、筆記、スケッチ、写真などで、研究材料を採集し、分析を行なうという研究手法をとった。23年、関東大震災で荒れ地となった東京で、今がそこでの人々の行動を分析し、記録したことが「考現学」の始まりとされる。その後、27年に新宿の紀伊国屋で「しらべもの展覧会」を開催する際、より適切な名前がないか出展者のあいだで相談した結果、同展覧会を「考現学展覧会」と名付けた。この呼び名が一般に公表されたのは、このときが初めてであった。この際に、西洋学名を付けたほうがもっともらしくなるという理由で、「Archeology(考古学)」をもじって「Modernology(考現学)」とし、発表した。「考現学」の考え方は、「路上観察学」の出現に大きな影響を与えるなど、それ以降の生活学、風俗学、そして社会学の発展に大きく貢献した。

著者: 喜多亮介(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『考現学入門』, 今和次郎, 筑摩書房, 1987
  • 『今和次郎集 第1巻 考現学』, 今和次郎, ドメス出版, 1971
  • 『モデルノロヂオ 考現学』, 今和次郎、吉田謙吉, 春陽堂, 1930
  • 『今和次郎』, 川添登, リブロポート, 1987

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