2019年12月01日号
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自主ギャラリー

Indipendent Photographer’s Gallery

写真家が個人または複数で自主運営するギャラリー。とくに1970年代、東京を中心として、復帰後の沖縄を含む国内各地に、若手写真家たちが自主運営するギャラリーが誕生した。それらはリトル・ギャラリーとも呼ばれ、綜合写真専門学校の学生が中心になって始めた「プリズム」(1976-77、新宿)や、「ワークショップ写真学校」の森山大道教室の卒業生を中心に始まった「CAMP」(1976-84、新宿)、同じく「ワークショップ写真学校」の東松照明教室の出身者たちが中心となった「PUT」(1976-79、新宿)などが活動を展開した。こうした自主ギャラリー・ブームの背景には、それまでの写真展が、ニコンやキヤノン、富士フィルムなどの企業が運営するメーカー・ギャラリーを主な場としていたという経緯がある。そうした既存の場に依存しない、新たな発表の場を求める若者たちが、自分たちのスペースを確保し、展覧会の開催のほかに、印刷物の発行や、自主ギャラリー同士の交流も行ない、新しい写真実践のあり方を模索していった。展示される写真の内容はさまざまであったが、コンセプチュアルな方法論を用いて制作を試みる若者たちの受け皿として自主ギャラリーが機能した点も、当時の写真表現における新たな方向性を反映する動向として見逃せない。写真専門のコマーシャル・ギャラリーが誕生し、写真を収蔵する美術館も登場してきた80年代以降になると、自主ギャラリーの総数は減少していったが、現在もコンスタントに複数のギャラリーが活動を展開している。

著者: 冨山由紀子

参考文献

  • 『インディペンデント・フォトグラファーズ・イン・ジャパン 1976-83』, 金子隆一、島尾伸三、永井宏編, 東京書籍, 1989

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