2019年10月15日号
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芸術労働者連合(AWC)

Art Workers' Coalition(AWC)

1969年にニューヨークで結成された美術家、批評家、キュレーターなどの美術・芸術関係者による活動団体。中心的な人物に、カール・アンドレ、ハンス・ハーケ、ルーシー・R・リパード、ダン・グレアムらがいた。彼らは「アーティスト」という呼称を避け「芸術労働者(art worker)」という市民主義的な概念を掲げ、ニューヨーク近代美術館(MoMA)を中心とした美術館に対する作家の主権確保やヴェトナム反戦を主張した。芸術労働者連合(以下、AWC)の結成は、ギリシャ人美術家V・タキスがMoMAで開催された展覧会に同館所蔵の自作を無断で展示されたことに抗議し、その作品を自ら撤去したことを発端とする。この一件の後、69年の4月にAWCの初回のミーティングが開かれた。その活動は当初MoMAの体制の民主化を要求するものだったが、次第にヴェトナム反戦活動へと傾斜していく。とはいえ、MoMAの理事会には60年代後半に強い政治権力を握っていたロックフェラーの一族が名を連ねており、美術館の制度改正とヴェトナム反戦というAWCの二つの主張は、密接に関わり合うものだった。AWCは71年には収束に向かったが、併行して、美術界における人種問題やフェミニズムなど、AWCが積極的に関与しなかった問題が意識されはじめるようになった。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Art Workers: Radical Practice in the Vietnam War Era, , Julia Bryan-Wilson, University of California Press, 2009

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