2019年08月01日号
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野蛮ギャルド

Yaban gyarudo

1997年に開催された、建築史家であり建築家である藤森照信の設計作品についての展覧会「野蛮ギャルド建築」で用いられた言葉。藤森は、前衛美術である「アヴァンギャルド」には、地域性、歴史性、自然や風土といった考えが欠落しているとし、そのパロディとして、自らの作品を「野蛮ギャルド」と称した。これにより藤森は、建築家としての、自らの立ち位置を示した。この展覧会で紹介された作品は、「自然素材をいかに駆使するか」という問題に対し、「工業技術に自然素材を包む」という解決策がとられ、設計されている。それは、植物を植えている屋根の裏側に、防水機能を持った高性能の金属板を用いる、などといったものである。つまり藤森は、単に先端技術を否定し、土着的な建築を目指しているのではない。また、設計をする際、信州の野山を駆けていた少年時代の血が騒ぐと述べており、タンポポやニラを屋根や壁に埋めるといった、極端なまでの独自性の表現は、自身の精神性の追求によるものとしている。彼の作品には、このような建築家としての設計意識とともに、建築史家として、先端技術に頼り、建築の軽量化や浮遊化を目指した現代建築の流れに対し、限界があるというメッセージが込められている。

著者: 塩原裕樹(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『野蛮ギャルド建築』, 藤森照信, TOTO出版, 1998
  • 『建築とは何か 藤森照信の言葉』, 藤森照信, エクスナレッジ, 2011

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