2019年08月01日号
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ASA(芸術研究協会)

Association for Study of Arts

「コンクリート・ポエトリィの基礎研究及びその他の実験的詩作品の研究」を目的として、日本におけるコンクリート・ポエトリー/視覚詩の第一人者である新国誠一と、同じく詩人の藤富保男によって1964年に設立された研究会および機関誌の名称。翌年機関誌『ASA』第1号が発刊され、74年の第7号で終刊となった。一貫してコンクリティズムと空間主義を標榜する明快な編集方針を持ち、新国と藤富のほか、清水俊彦や向井周太郎、E・ゴムリンガー、L・C・ヴィニョーレス、P・ガルニエなどの作品や論考が掲載され、国際的な水準での情報発信が行われた。もともとコンクリート・ポエトリー自体が、ヨーロッパ、ブラジル、日本で同時多発的に発生した国際的運動としての側面を持っていたため、同誌でも、必然的に国際的な同時代性や協力関係が強く意識された。その姿勢は、『ASA』誌上でたびたび発表された「空間主義宣言」に顕著である。また、そこでは異なる母語を持つ者同士が共同で詩作を行なう「超国家詩」なる手法が提唱されるに至った。とりわけ新国の視覚詩は視覚・音声・意味の三つの原理的素材の構造的な活用により、無人称的かつ裸形的な物質=材料としての言葉の回復を目指すものであり、意味論、記号論理学、情報理論などの社会科学的なディシプリンを明確に意識した方法を採用していた。だが、言語学と詩学の一致を目指すかのような新国の科学主義的な教条性は、次第にASA内部の造形派やヴィジュアル・デザイン派に対して排外的に働き、彼らの脱落を余儀なくさせる要因になった。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『新国誠一の《具体詩》 詩と美術のあいだに』, 新国誠一, 武蔵野美術大学美術資料図書館, 2009
  • 『新国誠一works 1952-1977』, 国立国際美術館編, 思潮社, 2008
  • 『円と四角』, 向井周太郎解説、松田行正構成, 星雲社, 1998

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