2019年09月01日号
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DBAE

DBAE(Discipline-Based Art Education)

DBAE(Discipline-Based Art Education=学問分野に基づいた美術教育)とは、1980年代に米国で誕生した美術教育の方法論であり、美術教育をより学術的な分野へと再編成する試みである。米国では、V・ローウェンフェルドが提唱した発達段階の理論と創造主義に基づいて、制作活動を中心とする美術教育が続けられていた。しかし、児童の創造性の自発的な開花に期待する教育方法は、数学や語学などの学問分野に比べてカリキュラムとしての厳密さを欠いていたため、美術教育は学校カリキュラムのなかで副次的な位置づけをされていた。このような状況を打開するため、美術教育をより専門的な学問分野として位置付ける研究が20世紀後半に試みられた。そのなかのひとつであるDBAEは、ゲティ・センターが中心となって研究が進められたプロジェクトである。DBAEの要点は、美学・美術批評・美術史・制作という四つの学問分野の方法論を美術教育に取り入れることで、美術教育に学問的な厳密性を与えることであった。DBAEの功績としては、美術批評や美術史の理解を通じて、今日の鑑賞教育に繋がる流れをつくったことである。その一方で、ヨーロッパ美術史に偏った白人至上主義的な傾向や知識偏重の姿勢が批判を受け、90年代には、美術教育の関心は多文化主義に基づく教育や制作過程を重視する教育へと移っていった。

著者: 荒木慎也

参考文献

  • 『美術教育の課題と展望』, 花篤實監修, 建帛社, 2000
  • Leaning in and Through Art: A Guide to Discipline Based Art Education, Stephen Dobb, J. Paul Getty Museum, 1998

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