2019年12月01日号
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VIVO

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1959年に日本で結成された、写真家によるセルフ・エージェンシー。メンバーは、川田喜久治、佐藤明、丹野章、東松照明、奈良原一高、細江英公である。この団体の結成意図は、共通する写真美学を標榜するためではなく、写真家たちの活動の経済的・創作的環境を共同するという、あくまで実利的な目的である。ただ、この団体に参集した写真家たちは、57年に写真評論家である福島辰夫の企画によって開催された展覧会「10人の眼」展への参加者とかなりの程度重複しており、60年前後の日本の写真界の、あるひとつの動向を比較的よく指し示す指針にもなっている。それは、50年代に支配的であった土門拳を中核とする「リアリズム写真」に対抗する、「映像主義」的な写真であると言ってよく、VIVOに集った写真家たちの作品は、土門ら先行する世代を超克するものであったという点において、共通点が見出せる。なお、VIVO自体は結成からわずか2年後の61年に解散することになるが、この団体が今日なお伝説的なものとして語られるのは、参集した写真家たちの活動が、日本の戦後写真史に強いインパクトを刻むものであるということを逆説的に物語るものである。

著者: 土屋誠一

参考文献

  • 『福島辰夫写真評論集 第2巻 「10人の眼」・VIVOの時代』, 福島辰夫, 窓社, 2011
  • 「写真の1955-65 自立した映像群」展カタログ, 山口県立美術館, 1991

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