2019年06月01日号
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nLDK

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プライヴェートな個室の数「n」、リビング「L」、ダイニング「D」、キッチン「K」によって住居の間取りを表わす表記法。第二次世界大戦後、数百万戸と言われる住宅不足を背景に、住宅を短期間で大量に供給するための標準設計が模索とされた。当時、庶民住宅の住まい方を研究していた西山夘三によって、「食」と「寝」の分離の必要性が唱えられ、食堂と台所を一続きとしたダイニングキッチン「DK」をもつ平面計画である「51C」と呼ばれる住戸タイプが生まれる。吉武泰水、鈴木成文らによる建築計画学の進展もこれに貢献した。「51C」が全国に広がるなかで、次に「公」と「私」の分離が重視され、家族団らんの場としてのリビング「L」と、家族の構成人数に合わせた個室を盛り込んだ「nLDK」と表記される住戸タイプがつくりだされる。大家族制から核家族制へという家族像の変化に対応したことや、集合住宅、商品化住宅を含めた一般住宅にも採り入れられたことでnLDK型住宅は、わが国において一般化していった。その反面、高度成長期以降の家族形態の多様化につれて、核家族を住宅の理想像としたnLDK型住宅では、現代の家族像には対応できないとの批判も生まれた。社会学や建築学などさまざまな分野で議論が展開され、また山本理顕ら建築家の批判的乗り超えの的にもなっている。

著者: 森下涼(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『建築計画』, 長澤秦, 市ヶ谷出版社, 2005
  • 『都市の暮らしの民俗学3 都市の生活リズム』, 新谷尚紀、岩本通弥, 吉川弘文館, 2006
  • 『「51C」家族を容れるハコの戦後と現在』, 鈴木成文、上野千鶴子、山本理顕、布野修司、五十嵐太郎、山本喜美恵, 平凡社, 2004
  • 『昭和住宅物語』, 藤森照信, 新建築社, 1990

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