バックナンバー
2015年05月15日号のバックナンバー
フォーカス
ファッション・ゆるぎない身体とゆらぐ身体——「山口小夜子 未来を着る人」展と「絶・絶命展」より
ヴィジュアル・ミュージシャン ビョークが奏でる視覚音芸術に触れる
[2015年05月15日号(梁瀬薫)]
アイスランドの革新的な芸術家として、類い希なミュージシャンとして、世界的に知られているビョーク(1965年生まれ、アイスランド出身)の20年間の中間キャリアを追った回顧展がニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された。
キュレーターズノート
「Atsuko Nakamura:意識と無意識の境界」/金沢発信アウトサイダー・アート展×垣内光司/「われらの時代」
[2015年05月15日号(鷲田めるろ)]
『太陽がいっぱい』はこれまでに観たなかで一番怖い映画だ。古典なのでネタバレも許していただくとして、ヨットが陸に引き上げられるラストシーンは鮮明に記憶に残っている。ドックに引き上げられるヨットのスクリューにロープが絡まり、そのロープの先には、葬り去ったはずの死体が……。このラストシーンによって、それまでの水上のシーンが次々と思い返される。あのときも、そしてあのときにも、じつは水面直下に死体が張り付いていた。水面上と水面下の二重構造であったことが事後的に判明し、主人公も映画を見ている自分もそのことを知らなかったことを知る。そしてもし、ヨットが引き上げられなかったら、ずっと死体が張り付いていることを知らないまま、水上のレジャーを楽しんでいるかもしれない。