2022年09月15日号
次回10月3日更新予定

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2022年08月01日号のバックナンバー

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ひろがる「芸術と医療福祉」のプラクティス

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[2022年08月01日号(中野詩)]

世界的なパンデミックを経験して、いま、医療福祉の現場でのアートやデザインの効能についても大きく見直されているのではないだろうか。病院におけるアートやデザインというと、患者が心地よく安心できるためのやわらかなインテリアや病室の絵画を思い浮かべてしてしまうが、それだけではない。治療のための「処方箋」としての芸術、対象も患者だけではなく、医療従事者や患者の家族にも及ぶ。それらが大学の芸術系学部と医学部、また付属する大学病院との連携においてさまざまに実践されているという。芸術と医療福祉のあり方を実践・調査研究されている中野詩氏に、国内のさまざまな事例をもとに、その意義と動向について寄稿していただいた。(artscape編集部)

【イルクーツク】岐路に立つ帝政期の建築遺産と都市に文化を付与する試み

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[2022年08月01日号(多田麻美)]

文化遺産として価値はあるが、極度に老朽化した伝統建築をどうするか。誰が保護し、維持するのか。これは共産主義体制による「公有化」という歴史を経た国では、近年、共通の課題だ。そんな今、シベリアのイルクーツクでは、大型の伝統建築の行方に注目が集まっている。今回は、その保護、復元の試みや、現代アートを通じて都市にアイデンティティを付与する活動に迫ってみたい。

キュレーターズノート

具体と曖昧のはざまから、新しい世界を映し出す──「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」

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[2022年08月01日号(野中祐美子)]

本号では、金沢21世紀美術館で開催中の展覧会「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」について紹介する。
現代韓国を代表するアーティストデュオ、ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ(以下、ムン&チョン)といえば、2015年の「Korean Art 1965-2015」(福岡アジア美術館)や2018年の東アジア文化都市2018金沢「変容する家」(金沢市)、最近では2021年「奥能登国際芸術祭2020+」(珠洲市)など、これまで日本国内でも彼らの作品を観る機会はしばしばあった。また、その間も世界各地で発表を続けており、近年では彼らの名前も作品もよく見聞きするようになった。しかし、筆者も含め多くの鑑賞者が、彼らの作品をまとまって体験する機会というのはほとんどなかったのではないだろうか。
本展覧会は彼らの日本での初めての個展である。合計6作品が発表され、そのうちの2作品はこの金沢での個展のために制作された。ここでは、特にこの新作2点と金石でのプロジェクトを中心に見ていきたい。

鑑賞者が主体となるフラットな関係性をどうつくるか──「音で観るダンスのワークインプログレス」京都公演

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[2022年08月01日号(田中みゆき)]

「音で観るダンスのワークインプログレス」(以下、「音で観るダンス」)は、2017年から2019年までKAAT神奈川芸術劇場のプロジェクトとして企画した。その後城崎国際アートセンターの委嘱により新作を制作することとなり、城崎での滞在制作と上演を経て、2022年6月11日と12日の2日に渡り京都芸術センターにて開催した。主旨については、城崎の上演後に改めて書いたテキスト★1で詳しく書いているが、視覚に障害のある人に対して音声で視覚情報を伝える「音声ガイド」に着想を得て、ダンスをテキストや音と共に上演し、視覚障害者を含むほかの観客と共に観てイメージを共有することで、観客側からもダンスを造形するような場をつくることを目的としている。実はこのプロジェクトを2日連続で上演を行なうのは今回が初めてのことだったが、それぞれの日でまったく異なる場となった。構成は同じ公演なのに、一体何によってそのような結果となったのか。そのことについて少し考えてみたいと思う。

京都府立堂本印象美術館から滋賀県立美術館へ──転職4カ月目に思うこと

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[2022年08月01日号(山田由希代)]

2022年4月1日に滋賀県立美術館に着任した私は、同年3月末日まで京都府立堂本印象美術館で勤務していた。前職場は京都の個人美術館であり、現職場は滋賀の県立美術館である。縁あって同じ関西圏の美術館で勤務することになったが、隣同士の府県とはいえ、地域性の相違は大きい。また、両館では職員数や施設面積など規模や運営方法の点でも大きな違いがある。着任以来、戸惑いながらの勤務も、やがて4カ月の月日が過ぎようとしている。ここでは、それぞれの美術館の業務を通して、私が感じた学芸員の仕事のさまざまな在り方について綴ってみたい。

アート・アーカイブ探求

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《聖マタイの召命》──運命の岐路「宮下規久朗」

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[2022年08月01日号(影山幸一)]

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