竹久侑: 2008年10月アーカイブ

10月15日に私のartscapeでのブロガーとしての役割完了という連絡が編集部があり、15日の最後の記事をあげてください、とのこと。

でも、「日常の喜び」と「カフェ・イン・水戸2008」のオープンを1週間先に迎えて、作家がわんさか水戸に入り、設営が山場となり、深夜までの勤務が増えるなか、タイムリーにブログを書く余裕がとれない状況がつづく(と言い訳)。
そしてけっきょく、本当は今日は29日。

展覧会オープン翌日の日曜日は、すかさず街中で9時からマルコ・ボーアと松本美枝子さんの写真ワークショップが終日おこなわれるのに並行して、館内では大巻伸嗣、KOSUGE1−16、西尾美也のお三方によるワークショップファシリテーター向けの研修プログラムが午後からあった。
オープニング当夜も、疲弊しきった体をひきずってずっと騒いでいたかったけど、翌日のことを考えて日付が変わる前に帰宅。
オープン翌日、作家が水戸から帰って行くのを見送って、一抹のさびしさとフェイズのシフトを体感。

設営中は、出品作家同士のエナジーがキャリアのちがいを超えて交換され、刺激しあって、相乗効果が生まれ、すごい現場だった。その場にいれたことはとても貴重な経験だった。
オープニングではご好評の声をいただき、かつ一般客のこどもたちにも大人気。
ぜひぜひ、多くの方にご覧いただきたい企画です。

街中でも、26日にダニエル・ビュレンヌの旗が商店街をはためきはじめた。
31日にはアトリエ・ワンがデザインした国民文化祭総合ブースも水戸駅に設置される(展示は9日まで)。中村政人さんのM1も、なにか大きなことの前触れを示すかのように意味深に、芸術館近くの空き地にどーんと鎮座している。
そして、長い時間をかけてつくりこまれた地元作家の作品も見応えあり。矢口克信の功徳商店、前回のカフェ水戸でリノベーションした旧大和薬品での大森宏一、槙野さやか、槙野央、小川泰の展示。
また店舗に設置された作品は、カフェなどのスペースにそよ風か息吹が吹き込んだかのようだ。
そしてスタンプラリーをしながら歩いて、見えてくる水戸の街に残る古い商店などなど。。。

31日はMeToo推進室によるカフェ・イン・水戸2008オープニングトーク/パーティもあり。

11月1日、2日、3日の3連休には、人と街とアートについて考える連続講座を、藤浩志、きむらとしろうじんじん、アトリエ・ワン、中村政人、秋元雄史、池田修 (*敬称略)の豪華講師をお迎えして行います。
要予約となっていますが、現時点では席に余裕ありです。

ぜひぜひこの秋、水戸までお越しください。
11月に入ると、あんこう鍋もではじめますよ〜。

それではまたなにかの機会に!
展覧会オープンまであと17日。
ようやくカフェ・イン・水戸の街中アートマップ(マピナビ)が校了。
ひとつの山を超えた。
つぎの山はすぐ目の前。
つかの間の休息がありがたい。

先週の土曜日から井裕介くんが水戸入りし、独特の「拡張する絵画」を水戸に描いている。
手と頭が別働隊である井くんの絵が見せる物語は、本人が意図してつくりあげたものではなくて、手が動いて手から自然にうまれてゆくそうだ。
頭と手がひっくり返ったような生成の仕方がとても興味深い。

制作の傍ら、絵を見てて、わたしの頭に浮かんだ物語は、井くんの目が捉えるお話とちがったりする。物語の生成は完全に見る人の自由。
「あの鳥はいじわるそうだ」とか「あの蛇はつかまえられてるけど喜んでる」とかなんだかんだと話がうまれて、とても面白い。

井くんには水戸芸術館のエントランスホールとギャラリーの壁画、
そして街中のお店の外壁などに絵を描いてもらう。

すでにこれだけ制作することになっているにもかかわらず、
芸術館の近くにある元デパートの大きな白い外壁を見て、ひるむどころか「いい壁だなぁと思って」眺めているさまに、潜在性の深さをひしひしと感じる。

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