この度、ホワイトストーンギャラリー銀座新館では、寺倉京古による個展『雲のまにまに / Where the Clouds May Lead』を開催いたします。

寺倉京古は1994年岐阜県生まれ、2020年東京藝術大学大学院修士課程工芸専攻(陶芸)を修了。磁土による技法と陶土による手びねりや磁土によるキャスティングなど陶芸の素材と技法を用いて、子どもをモチーフとした立体を特色とする。今展におけるテーマは「雲」。寺倉はその不規則な流れに人間の生の必然性と偶発性を重ね合わせる。

今展について、作家は次のように述べる。

”雲は風に流されて動く。雲を動かす風には、地球が回ることで生まれる大きな流れと地上付近で生まれる不規則な流れがある。雲の流れは、私たちの人生の必然と偶然の成り行きとも捉えられる。

雲は無数の小さな水と氷の粒が浮かぶものであり、水がこの地球の中で循環するひとつの状態である。すべての生命もまた同様に常に移り変わり、生まれては死ぬ運命のなかで、私たちの命も歴史の大きな流れの一部としてこの世界を巡っていく。

たゆたう雲の上から私たちの運命と偶然の成り行きを見守り、私たちの心にそっと寄り添う存在として、現実とは離れた、夢の中の様な神仏の領域ともいえる様な場所に住まう意識の深層にある「こども」たちの姿を表現した。”

寺倉京古がたゆたう雲に託す人生の予測不可能な行程、子どもの無垢さが湛える不可侵な神々しさが具現化された世界をご堪能ください。

皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げます。