生誕152年を迎える洋画家・鹿子木孟郎(1874–1941)の画業を総覧する展覧会を開催します。鹿子木は岡山で松原三五郎に学び、幼少期から西洋の思想や精神文化に触れる環境に育まれました。こうした初期体験は、のちに彼が追い求める写実への強い志や、自然や人物を“あるがままに”描こうとする姿勢の底に息づいています。その後、上京して不同舎で小山正太郎に師事し、画学教員としての勤務を経て米国経由で渡仏。パリのアカデミー・ジュリアンでジャン=ポール・ローランスに学び、堅固な写実と構築的な画面を基盤に独自の油彩表現を確立しました。帰国後は京都を拠点に後進の育成にも力を注ぎ、日本洋画史に確かな足跡を残しています。
本展では、初期から晩年に至る代表作を通して、鹿子木が生涯追い求めた「不倒の油画道」とも呼ぶべき制作姿勢を紹介します。人物・風景・歴史画など多彩な主題に取り組みながら、一貫して対象の内に潜む精神性を見つめ続けたその歩みを、岡山の地であらためて見つめ直します。鹿子木芸術の全貌に触れる貴重な機会となる本展に、ぜひご期待ください。