1937年東京築地市場の魚問屋の三男として生まれた宮内は、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)で、日本におけるフレスコ・モザイク画の先駆者・長谷川路可氏に師事。継承者として全国各地のフレスコ・モザイク壁画の制作に当たる一方、後進の指導にも努めました。
制作現場を数多く経験する中で、いわゆる絵画作品との相違を実感していきます。モザイクは、絵の具に相当する材料を自分で作らなければならず、来る日も来る日もひたすら石を割り続けます。この単純で厄介な仕事を宮内は飄々と楽しそうにハナ歌まじりでやり続けたといいます。
また宮内は、モザイクだけでなくフレスコ画にも同じ情熱で取り組み、各地に多くの優れた作品を残しました。
本展は宮内淳吉のこうした制作姿勢を俯瞰するモザイク画とフレスコ画約30点で構成します。
愛情表現溢れる、質素で美しい、高い精神性を感じさせる作品を、モザイク壁画「音の壁」とあわせて御覧ください。